2021年12月期 第4四半期決算説明会 質疑応答要旨

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質問者:BofA証券株式会社 榎本尚志氏

  • A12021年第4四半期でも数量増加が単価上昇を上回っており、今後も引き続き市場シェアを拡大していく計画です。説明資料P30でも示している通り、2022年通期のDIY市場はプラス成長、Project市場はやや軟調と見通している中、両市場においてシェア拡大・製品値上げを実施することで、いずれも+10~15%の成長を見込んでいます。単価と数量の内訳については、製品ミックスなどの要因もあり、従来通り細かく申し上げられませんが、大きくは数量増加が単価の上昇を上回る想定です。

  • A2Project市場は新築市場を中心に減速感は出るものの、2021年9月のNIPSEA事業説明会でもお伝えした通り、当社の市場シェアは9%程度であるため、2022年もシェア拡大を見込めると考えています。
    Project市場は競合企業も含めて厳しい状況にある中で、単純にシェア拡大のみを追求するというよりは、収益と成長のバランスをしっかり取りながら+10~15%の成長を目指す計画としています。

質問者:ゴールドマン・サックス証券株式会社 池田篤氏

  • A1個別セグメントにおける原材料費率の開示は控えていますが、グループ全体では2021年の第3四半期、第4四半期ともに第1四半期や第2四半期と比べると悪化しています。当社グループにおいて中国事業が占める割合は大きく、連結の売上総利益の構成要素として原材料費が大きく占めています。第3四半期から第4四半期にかけて利益率が若干改善したのは中国事業も同様で、この部分は値上げによる改善や、DIYとProjectの事業構成において収益改善があったと考えています。

  • A2原材料価格は2022年上期においても引き続き上昇する前提で考えており、高止まりよりも若干の上昇を見込んでいます。そのため、その影響を上回る値上げの実施や販管費などの削減によって、第2四半期ぐらいから利益率が改善する想定をしています。
    1-2月は春節や北京冬季五輪の影響もある一方、通常一番大きな需要期に当たる3月の動向が見通しにくい中、第1四半期は引き続き厳しい利益率、原材料費率であると想定しています。それに対して、第2四半期からはこれまで取り組んできた製品値上げが浸透し始める想定をしながら、足元で可能な限りの値上げを積極的に進めています。

  • A3数字そのものにはあまり捕らわれていただきたくないものの、DIY事業の売上収益は建築用の半分以上を占めており、新築だけでなく塗り替え需要が非常に好調であることから、製品値上げを実施しながら利益をしっかり確保していきます。
    Project市場は競争環境が厳しいものの、競合他社も利益を簡単には出しづらい状況にある中、顧客との関係をしっかり維持しながら戦略的に値上げを実施し、利益率の改善を目指していきます。
    具体的な数字については言及しませんが、少なくとも2021年の第3四半期、第4四半期の水準が適切とは考えていませんので、ここからの改善を目指していきます。

質問者:JPモルガン証券株式会社 佐野智太郎氏

  • A1利益率の方向感としては、地域間で大きな差は特になく、各地域で原材料価格の上昇や物流費増加に伴う利益率の低下を製品値上げや販管費などの削減によって改善していく計画です。日本セグメントも本社費用の再配賦がなければ、前年同期と同一条件で見て改善する計画です。
    製品値上げの強弱に関しては、建築用はやはり値上げの浸透は速く、工業用では顧客との関係から値上げに対する理解に時間がかかるなどの違いはありますが、全体として利益率の方向感が地域によって異なることはありません。

  • A2結果として多少の変動が出てくる可能性はありますが、大きな需要期ではない第4四半期にある程度の利益率を確保することができた明るい兆しをもとに、2022年の業績予想を計画しています。

質問者:みずほ証券株式会社 吉田篤氏

  • A12022年通期予想について、日本で本社費用の再配賦がない場合の同一条件下での比較では、売上増加と固定費の減少などにより、利益率自体は改善する見込みです。ただし、本社費用の再配賦の仕方やセグメント見直しをどのように実施するかはまだ確定していないため、次回の決算発表時に改めて説明いたします。
    2021年の第3四半期から第4四半期にかけて利益率が改善していない点については、自動車用で想定より売上が伸びない状況が発生しました。国内において生産調整の長期化が続く中、原材料価格高騰の影響も加わりました。日本セグメントは建築用を含めてBtoB事業が中心となっており、製品値上げの頻度や容易さは他の地域と比べると難易度がやや高く、現在各事業で顧客理解が得られるように努力していますが、長く続いたデフレ環境もあって利益への反映には遅れが出ています。原材料価格が上昇し続ける中、日本の事業特性も作用し、実態としてどうしても費用が先行している状況です。

  • A2同一条件下では改善する見込みです。ただし、2022年第1四半期に本社費用の再配賦がなされる場合は、開示上、日本セグメントの数値が少し悪化するように見える場合があり得ますが、過年度との比較がしやすいように工夫する予定です。

質問者:モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 藤田知未氏

  • A1季節要因は結構大きく、第4四半期では10月は比較的好調で、11月、12月は落ち着いた月でした。毎年そうした傾向は見られ、年末に向けての第4四半期は比較的弱い時期となります。一方で、3月に次いで活況な9月を含む第3四半期は好調な時期となります。計算上では利益が若干減少しているように見えるかも知れませんが、当社としては想定通りで、全体的には利益は改善傾向が見えている実感をもとに、2022年の見通しを計画しています。

  • A22022年通期見通しでは、第2四半期から若干増益傾向になると想定しており、上期中は原材料価格が上昇するものの、製品値上げなどの施策が浸透する過程で、利益率が徐々に改善すると見込んでいます。
    第1四半期は引き続き厳しい見通しではあるものの、競合他社も同様の状況となる中で、当社グループの資本力、中国でのDIYを含めたプレゼンスを活かして売上成長を目指し、利益率を着実に改善していきます。

  • A3現時点で合理的に見積もって、第4四半期に引当金を約6億円計上し、第3四半期の約27億円と合わせて計 32億円を計上しました。今後について状況次第では変わり得るものだと申し上げておきますが、今期に引当金をさらに大きく計上するという事態は想定していません。

質問者:ジェフリーズ証券会社 東佳宏氏

  • A1米州には、Dunn-Edwards社の建築用と、自動車用が含まれています。収益性の内訳は開示していませんが、建築用市場は堅調であり、価格転嫁力は十分にあると認識しています。米州では、建築用で高いシェアを持つ競合他社も値上げを進めており、当社もそれに追随しながら価格転嫁ができていると考えています。
    一方で、自動車用は、2021年も引き続き部品不足や物流問題などが発生し、米州で一部物流が混乱した際にも顧客への製品提供を維持する必要があり、若干コストが増加しました。また、一般的にBtoB事業は価格転嫁が容易ではないため、第4四半期では収益性を補填するまでには至りませんでした。

  • A2長期と言わず、中期的に価格転嫁し得ると見込んでいますが、例えば建築用のDIY事業では当社が価格改定を決定できますが、一般的にBtoB事業では、価格改定の頻度は年に1~2回程度です。そのような事業形態の中、急激な原材料価格の上昇時には、顧客と交渉しながら合意点を見つけていく必要があります。価格転嫁ができないわけではなく、原材料価格に対する価格転嫁のタイムラグについて、現時点が一番苦しいタイミングとご理解ください。

  • A3詳細な利益率の改善は開示していませんが、基本的に建築用の利益率は改善しています。原材料の調達については、当社も同様の状況で、原材料価格の上昇以上に値上げをさらに進める程の競争力はないと見込んでいます。ただし、原材料価格の上昇分を取り戻すだけの製品値上げは十分にできており、売上増加に伴う営業レバレッジも含めて、利益率は改善方向にあります。

質問者:野村證券株式会社 岡嵜茂樹氏

  • A1第3四半期から第4四半期にかけては補助金などもあって一概には言えませんが、基本的には原材料を起因とする利益率変動はある程度安定化してきました。これまで利益率が悪化してきたところから改善が見られましたが、第4四半期の売上収益が960億円であり、他の四半期と比べ固定費負担は若干増えています。当社としては第3四半期で下げ止まり、第4四半期から改善の兆しが見え、2022年第1四半期の売上は同水準には至らないものの、利益率は同水準になると想定しています。さらに、第2四半期、第3四半期で回復し、利益率も上昇すると見込んでいますが、販売数量や原材料価格の動向、製品ミックスなどのさまざまな要因もあるので明瞭な説明方法を検討しています。
    また、2021年9月に開催したNIPSEA説明会で申し上げた通り、塗料は「一人当たりの消費量」で測ることができて、中国の水準は先進国と比較して低いため、十分に経済成長ができる前提があれば、一人当たり消費量は上昇すると想定されます。加えて、1990年代以降に建てられた住宅の塗り替え需要は、DIYにも多く存在しています。また、Projectにおいても、当社ビジネスはまだ新築向けが多いものの、大規模修繕などの話も出てきており、トータルの塗料需要は確実に伸びると想定しています。さらに、シェア拡大や値上げを実施していく予定であり、成長には自信を持っています。
    ただし、原材料に関しては、2021年初頭からすれば想像外であったこともあり、2022年は一定程度厳しい前提を置いていますが、原材料の状況は改善・悪化の両面の可能性があります。しかし、トータルでは当社は堅実な業績予想を公表しており、基本的に必達することを前提に予想数値を策定しています。

  • A2競合他社が値上げをした場合、当社は価格を維持してシェア拡大を図るのではなく、追随することになります。各社ともに同じ原材料を使用しており、原材料価格が利益率を圧迫する状況は一緒であるため、中国の競争環境においても競合他社に追随する心理は、一定程度は働くと見込んでいます。当社は中国事業全体としては黒字を確保しており、DIYでは着実に成長を果たす中、Projectがいつまでも厳しい競争環境であるわけではないと想定しています。

  • A3基本的には販売数量の増加が要因となります。説明資料P18に掲載の通り、Projectの市場環境は、第4四半期ではそれ程伸びておらず前年並みで、業況に関しては、右上矢印を記載しているようにシェア上昇となります。

質問者:CLSA 証券株式会社 張一帆氏

  • A1プライム市場については公表の通り、2022年4月においては上場基準を満たしており、こちらは新株発行前である2020年12月末時点で判断されており、株式の流通比率も35%を超えています。
    その上で、2021年1月に新株を発行し、アジア合弁事業の100%化およびインドネシア事業の買収を完了していますので、流通比率は株式売出し前が約27.6%、株式売出し後が32%となっています。したがって、2022年12月末において流通比率が35%を超えるかどうかについて、プライム市場に移行した上で基準を満たすかどうか判定されることになります。
    現在は、基準に対して約3%の差異がありますが、例えば東証から追加開示されている通り、通常、生命保険会社などは固定株として取り扱われますが、5年以内の売買実績があれば流通株式と見なされることになります。当社株式を保有する上位2社の生命保険会社の保有比率は4.6%ですが、仮に流通株式と見なされる場合、基準を十分に満たす道筋が見えてきます。
    なお、現時点では、株式売出しの追加実施は想定していません。

  • A2他社状況については、債権残高や補填状況が分からないため比較できません。当社は、監査法人や第三者の評価を踏まえて、適切な引当金額を認識した上、開示しており、現時点で合理的な金額であるとお考えください。

  • A3製品値上げについては、決して実施しやすいわけではありません。各社が高い利益を出している状況では、能動的な値下げもあり得ますが、そのような状況ではありません。ただし、現在は直前の大変厳しい局面からは少し変化していると考えています。

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