1. Front Cover


皆様こんにちは。日本ペイントホールディングス共同社長の若月です。本日はご多忙の中、当社初となる「IR DAY」にご参集いただきまして、誠にありがとうございます。
簡単に本日の開会のご挨拶をさせていただきます。
2. Objective of IR DAY 2024

先日とある投資家の方から、なぜ今初めての「IR DAY」を開催するのか?と質問を受けました。当社は2021年から年に1度、共同社長であるウィー・シューキムによるセッションを年に1度開催しています。ウィーはNIPSEAグループのCEOでもあるため、NIPSEAグループの事業に焦点を当てた内容としています。共同社長の2人の役割としては、ウィーはオペレーションを、私は投資家とのコミュニケーションを主に担っており、ウィーには投資家とのコミュニケーションに時間を割くよりも、収益を上げることに集中をしてもらいたいと考えています。そのため、こうした年に1度のセッションを通じて、NIPSEAグループの事業やオペレーション、経営哲学についての理解を深めていただく機会になりましたら幸いです。
今後もこうしたイベントを通して、当社グループに関するさまざまな情報を投資家の皆様に提供していきたいと考えています。
また、年に1度、筆頭独立社外取締役で取締役会議長である中村昌義とのセッションも開催しています。ガバナンスに焦点を当てた内容としていますが、当社は58.7%の株式を保有する大株主を擁していることから、複雑に感じられる方もいるのではないかと推察します。こうしたセッションを通じて、経営上の唯一のミッションである「株主価値最大化(MSV)」がウットラムグループ、少数株主の皆様の双方にとっての共通の目的になっていること、取締役会の過半数を占める独立社外取締役がそれを担保していることをご理解いただければ幸いです。なお、統合報告書を毎年発行して当社のガバナンスについてご説明してきたことから、最近では当社ガバナンスに関する質問は減少してきていると実感しています。
足元では、当社成長ポテンシャルに反して株価が低迷している残念な状況ではあるものの、当社についての理解を深めたい新規投資家の皆様から数多くの問い合わせを受けていることは、良い兆候と考えています。したがって、本日は当社グループの既存ポートフォリオの概要についてお伝えする良い機会になるかと思います。
「統合報告書2024」の27ページ以降でも解説している通り、当社のファンダメンタルズと資本市場には認識ギャップがあると感じており、本日の目的はそうしたギャップを埋めることもあると考えます。
これまでも何度か申し上げている通り、特に連結売上収益の63%を占める建築用事業において、「ブランド」は競争優位性の1つです。残念ながら、多くの投資家や証券会社が当社を化学セクターに分類していますが、化学セクターは非常にシクリカルなものです。当社の事業ポートフォリオはそこまでシクリカルではなく、レジリエントな需要と併せてブランドの強みを理解いただければと考えています。
2年前には投資家の皆様からの質問の85~90%が中国に関連していましたが、当社事業ポートフォリオに占める中国事業の割合は3分の1に過ぎません。中国事業の割合は、当社グループの事業全体の安定化、引当金に関するリスクが減少するに連れて低下傾向にあります。また、AOCの買収完了後にはさらなる低下が見込まれるものの、中国事業の大きな成長ポテンシャルは変わりません。本日は、中国事業の現状と今後についてお伝えしたいと思います。
先ほども申し上げましたように、ガバナンスに関する質問は減っています。当社はミッションであるMSVについて非常によく熟知した、積極的で多様な議論がなされている最高クラスの取締役会を有していると私は考えています。当社のことをよく知らない投資家の皆様におかれましては、年に1度のこの機会にぜひ当社に対する理解を深めていただければと思います。
本日は「アセット・アセンブラー」の柱の1つに当たるM&Aについてご説明する良い機会でもあり、先日発表したAOCの買収はローリスクで良質なアセットをターゲットとしていることを示す良い事例となりましたが、本日はそれについて深掘りする予定はありません。本日のセッションが終わる頃には、当社グループの安定的で強固な、レジリエントな既存ポートフォリオの基盤について理解が深まり、当社株式に対するポジティブな見方が構築されていたら嬉しく思います。
3. Contents for Today

本日のプログラムとなります。
まず、当社グループの主要なパートナー会社から、ブランド戦略をどう成果に結び付けているかをご説明いたします。DuluxGroupのCEOであるパトリック・フーリハンからは、豪州市場で展開している欧米型のブランド戦略を解説してもらいます。そして、NIPSEAグループのブランド戦略の責任者であり、当社グループの船舶用事業の責任者でもあるグラディス・ゴーからは、トルコを含むアジア市場で展開している販売店モデルのブランド戦略について解説してもらいます。続いて、ウィー・シューキムからは、NIPSEAグループの事業全般について解説してもらいます。中国事業だけにとどまらず、NIPSEAグループのもう1つの力強い成長の柱であるマレーシア・グループについてもお話しいたします。これらセッションを通じて、いわゆる「良質なアセットを有する企業連邦(United Nations of Excellent Companies)」の力強さについてご理解いただければ幸いです。
最後に、筆頭独立社外取締役、取締役会議長の中村昌義がガバナンスをテーマに、これまでの当社のガバナンスの進化や、取締役会がリスクテイクと健全性のバランスをどう図ってきたのかをお話しいたします。
これらセッションを通じた積極的な対話によって、皆様の理解が深まればと思います。
4. BRAND STRATEGY

以上が開会の挨拶となり、ここからは次のプログラムであるブランド戦略を巡って、パトリック・フーリハン、グラディス・ゴーによる発表の前置きをさせていただきます。
5. Nippon Paint Group’s Business at a Glance

まず、当社グループの概要となります。
当社は143年の歴史を持つ伝統的な日本企業(JTC)ではあるものの、売上収益、時価総額、展開国・地域の全てにおいて、直近10年余りで大幅な成長を遂げてきました。アジアでNo.1、グローバルでNo.4の地位を誇っていますが、事業規模の拡大は当社の重視するところではなく、価値の創出を重視しています。
6. Our Brands with Global Presence in 47 geographical locations

現在は47ヵ国・地域で事業を展開しており、とてもグローバルではあるものの、ブランドは「NIPPON PAINT」だけではありません。
さまざまなブランドを異なる国・地域で展開しており、いずれもローカルブランドではあるものの、当社のグローバルな事業スケールを踏まえれば、今後に生かせる要素はたくさんあると感じています。
7. Zooming into the 2 Powerhouses

2023年時点で、DuluxGroupとNIPSEAグループが連結売上収益の約8割を占めています。先ほども申し上げた通り、本日のセッションを通じて当社グループの強固な成長基盤について理解を深めていただければ幸いです。
ご清聴ありがとうございました。