1. Introduction

アジアをはじめ世界各地から参加されている皆様、こんにちは。
私は、NIPSEAグループで戦略・イノベーション・マーケティング業務の副社長を務めています。共同社長の若月からの紹介の通り、NIPSEAグループのブランド責任者と、日本ペイントグループの船舶用事業を手掛ける日本ペイントマリンの社長を兼任していますが、本日はNIPSEAグループのブランド責任者としてご説明します。
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まず、NIPSEAグループの背景を把握していただくべく、当社の多様性についてご説明いたします。
当社のキャッチフレーズは、「Inspired by You」です。当社のビジョンは、顧客中心の成長を通じて持続的な未来を築くことであり、ブランドプロミスである「Innovation with Heart and People at our Core(思いやりとひとを重視するイノベーション)」を実現することです。
事業分野は建築用から工業用、自動車用、船舶用、その他の塗料まで多岐にわたり、28ヵ国・地域で事業を展開しています。
当社は事業の多様性と市場での存在感を活用し、非常にユニークなグループ運営体制を採用しています。「a 1,000 flowers bloom structure(1,000の花を咲かせる体制)」の構築を信念に掲げ、それぞれの市場に適応したソリューションと国際的な事業経験を組み合わせたダイナミックな地域戦略を通じ、世界的なブランドを開発しています。後ほどご紹介する説明資料を通じて、「1,000本の花を咲かせる体制」のもと、当社がどう運営されているかをご説明いたします。
こちらは、当社グループが展開するブランド・ポートフォリオです。多様なブランドや、28ヵ国・地域のステークホルダーを巻き込み、開発したグローバルな資産がどのような成果をもたらしたのかを後ほど説明いたします。
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ブランド理念の紹介に先立って当社のロゴについてご説明いたします。NIPSEAや日本ペイントのロゴは、NIPSEAグループが事業を展開する多くの国・地域で見かける機会が多いのではないでしょうか。
当社のロゴは、長い年月の間に変更があったと思いますが、常に指針とするべき同じ理念を象徴してきました。ブランドプロミスに基づき事業を展開する全ての地域で、当社は常に顧客を中心に据えたイノベーションに重点を置いています。ロゴの中心にある赤字の「n」は多様な顧客に対する配慮、背景の青色は当社にとっての無数の事業機会を表しています。
次に、先にお話したブランドプロミス「Innovation with Heart and People at our Core(思いやりとひとを重視するイノベーション)」の実現に向けてどのように取り組んでいるかを3つのジャンルに分けて説明します。
1つ目は、顧客向けに開発した高品質で多様な製品ソリューションです。当社はコーティングの領域を越えて、革新的で包括的なソリューションを活用し、業界をリードしています。
2つ目は、顧客との密接なブランドエンゲージメントの構築です。既存のオムニチャネルを活用し、フィジカルとデジタルで顧客と接点を持ちながら、顧客とシームレスに関わる関係性を維持することで、より密接に顧客に関与することが可能になります。これに関しては、後ほどさらに多くの実例をご紹介いたします。
3つ目は、包括的なマルチチャネルを通じた塗料製品の提供です。強固なオムニチャネルの販売網を通じて、当社の製品やサービスに簡単にアクセスできる体制を整えています。
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先ほどもご説明した通り、NIPSEAグループはあらゆる塗装面に対してトータル・コーティング・ソリューション(total coatings solutions)を提供しています。
しかし、本日は特に建築用塗料部門に焦点を絞ってご説明いたします。若月が先ほどご説明した通り、建築用塗料は当社売上収益の63%を占めています。
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ブランド戦略の説明に入る前に、当社のステークホルダーについてご理解いただきたく思います。
NIPSEAグループが建築用塗料事業を展開する世界16ヵ国・地域の市場では、10億世帯以上を対象としています。当社のソリューションは、プロの塗装業者向けと一般消費者向けの2カテゴリーがあり、ともに多岐にわたるステークホルダーを抱えています。
一般消費者向けのソリューションについて簡単にご説明すると、対象は住宅所有者だけではありません。この市場は必ずしもDIY市場ではありません。NIPSEAグループの市場はアジアで非常に多様であるため、ほとんどの住宅所有者はDIYを行わず、塗替作業の大半は住宅建設業者や塗装業者に外注されています。このため、住宅建設業者や塗装業者は、どのブランドの塗料を購入して住宅所有者の家に塗装するかについて強い影響力を持っています。また、このような業者はディーラーや小売業者、販売店から塗料を購入します。このように、一般消費者向けのソリューションでは、複数のステークホルダーが存在します。
プロの塗装業者向けのソリューションにおいても、不動産所有者やディベロッパー、ビルの管理業者、仕様策定業者などのさまざまな専門的なステークホルダーが存在し、プロジェクトで使用する塗料のブランドを指定する立場にあります。建築家やインテリアデザイナー、建築積算士、不動産会社などのさまざま職種の人が関与しますが、最終的に作業現場で塗料を使用するのは住宅建設業者または塗装業者となります。
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まず、顧客向けに開発した高品質で多様な製品ソリューションについて説明いたします。
ステークホルダーに当社の優れた多様な製品ソリューションをどう提供していくのか?当社では、一般消費者、プロの塗装業者の両方の顧客を対象とした高機能塗料に加え、SAF(密封剤・接着剤・充填剤)や建設資材、塗装ツールなどの周辺分野への戦略的拡大を進めています。
最先端のエンドツーエンド(end-to-end)のソリューションで多様な顧客ニーズに対応することで、当社の製品が最高水準の品質と革新性を維持していることを保証します。当社は住宅所有者向けであれ、プロの塗装業者向けであれ、優れた品質を提供し、家庭のニーズに対応した非常に強力な機能製品のイノベーションに取り組んでいます。そのため、外壁用塗料からバイオマス技術、エコエッセンス、アレルギーに配慮した子ども用の塗料、無臭塗料、さらにはトルコのパートナー会社が提供する非常に優れた外装用塗料に至るまで、住宅所有者向けに最高品質の機能を提供し続けています。
さらに進んだ取り組みとして、当社がこれまで投資してきたチャネルに含まれる塗装業者や住宅建設業者などの既存顧客に対して塗装ツールを購入してもらい、当社の非常に優れた塗装ツールと高品質の塗料を使って塗装プロジェクトを完成できるようにしたいと考えています。
プロの塗装業者に対しては、塗料だけでなく、トータル・コーティング・コンストラクション・ソリューション(total coatings and construction solutions)を提供しています。既存の顧客と取引をする中、塗料のみの提供に注力しているわけではなく、この取り組みは極めて重要です。現在はコーティング以外の分野でも製品を供給・拡充できるようになり、既存の顧客に提供する製品の幅が広がりました。
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次に、顧客との密接なブランドエンゲージメントを構築する方法についてご説明いたします。
当社は優れた製品を提供するだけでなく、さまざまなタッチポイントで顧客と関わり、強力なブランド認知を構築することで、ブランド体験(brand experience)を向上させています。消費者一人ひとりに向けた塗料と色に関するアドバイス、デジタル技術を駆使した配色の提案、没入型の展示会などの付加価値サービスを通じて、カスタマー・ジャーニー(顧客が商品を購入し、利用・継続・再購入に至るまでのプロセス)を豊かにし、夢の空間を現実に変え、同時に当社ブランドに対するロイヤリティを構築する有意義なインタラクションを生み出したいと考えています。
こうした顧客との密接なブランドエンゲージメントを構築するための戦略をいくつかご説明いたします。
当社は非常に象徴的なマスコットキャラクターを導入しており、ブランドの機能を伝えたり、ブランドに対する消費者の愛着を構築するべく、アジア全域の広告や販促資料で積極的に使用しています。また、スポーツ選手や芸能人などの数多くのインフルエンサーを起用したマーケティングを展開し、ブランドエンドースメントや顧客とのブランドエンゲージメントに役立てています。
こうした「マスコット・インフルエンサー・マーケティング」に加えて、体験型の展示会や小売体験も設けています。当社はブランドストアだけに依存せず、都市から都市へ、町から町へ移動するトラックやディーラーショップ、多くの人が参加するさまざまなイベントで当社の塗料製品について説明を行っています。
当社は、このような小売会場でアドバイスを提供する経験豊富な「ブランドアドバイザー」を抱えています。こちらは、潜在的な顧客に対して当社のコーティングや色について説明する小売店での例です。また、「NIPPON PAINT」ブランドのみならず、複数のブランドを扱っている店舗でも、店舗に足を踏み入れるたびに当社ブランドがTop of Mindになるようなブランディングを強力に展開しています。
当社は、没入型の展示会や教育関連の展示会にも投資しています。「Magic Wonderland」は一線で活躍するデザイナー向けの大規模な展示会で、中国全土のデザイナーが作品制作に必要なアイデアを探しに来場します。当社はこの展示会で、「Magic Paint」やテクスチャー・コーティングが3D技術を活用し、デザイナーの作品を生き生きと表現する方法を紹介しています。
当社はこの展示会で顧客と交流し、機能性塗料を販売するだけでなく、塗料以外の建築資材やコーティング材料を提供できることを顧客に伝えています。Nippon Paint Malaysiaの展示会でも長年にわたってブースを設置し、当社の塗料製品やさまざまな表面に塗装する色を通じて、塗料が生き生きとした表面を創り出すことを紹介しています。
カラー・インスピレーションやアドバイス、デジタル・カラー・スキームにも多くの投資を行っています。パトリック・フーリハンが先ほど、DuluxGroupの塗料とカラーアドバイザーの例を示したように、色は私たちにとって大きなインスピレーションを与える存在と当社は考えます。塗料と色は密接に関連しており、色は人々の塗装意欲や新たな色への興味を駆り立てます。
当社は、時代に即したカラーや配色を提案するカラーガイドブック「Trend Beyond Color collection」を通じ、消費者に色へのインスピレーションを与えています。このガイドブックは、さまざまな設定で色をどう生き生きと表現するかを紹介しています。著名人にこれらの色を推奨してもらうこともあり、ほとんどの場合、著名人が好む色は時を置かずして国内で最も人気のある色になります。
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当社が世界各地でどのように多彩にブランドを展開しているか、参入している全ての市場でいかに屋外ブランディングを強力に活用しているかについてもご説明いたします。
こちらは、NIPSEAグループが進出する各国・各都市で当社の多様なブランドはどのように展開されているかを示す一例に過ぎません。例えば、看板やバスの外装、配送車両、高速道路のアンダーパス、小売店の外壁、空港ターミナル、鉄道駅、幹線道路、地下鉄駅、さらには公共交通のハブに当社のマスコットを登場させています。
自宅以外の場所や住宅所有者が想定していない場所にタッチポイントを設置することで、ブランドエンゲージメントを強化することができます。こうしたアプローチにより、住宅所有者がさまざまなタッチポイントで当社と交流することになるため、自宅を塗装していない時でも当社のブランドについて考えるようになります。
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ポップアップストアを設置してブランド・インスピレーションを示すなど、現場でのエンゲージメントも行っています。
当社の象徴的なマスコットは交通量が多い地域で生き生きと登場し、著名人が当社のブランドと色について語ります。また、塗料ブランドと密接に結び付いたマスコットを前面に打ち出した製品も販売しています。意外に思われるかも知れませんが、こうしたアプローチは、単に機能性塗料の利点を宣伝するよりも強いブランドエンゲージメントにつながります。当社のブランドをとてもカラフルに、インスピレーションに富んだ方法で表現するからです。
カラートレンドに関しては、新聞・雑誌やメディア向けのイベントで紹介され、住宅だけでなく、自転車のヘルメットなどのさまざまな表面を彩ることができることなどをアピールしています。また、ショッピングモールでもポップアップディスプレーがあり、強力なタッチポイントを構築するだけでなく、当社のブランドがこれらのタッチポイントでひときわ目を引くように投資しています。プロの塗装業者については、カラースキームサービスが極めて重要であるため、事業を展開する国・地域のほとんどで提供しています。
こちらの例では、当社が色の専門家で構成した大規模なチームを編成し、色の選択を含むカラースキームを実践し、使用する塗料の種類についてアドバイスを行いました。これらの取り組みは、マレーシアで実際のプロジェクトとして具体化した事例となります。
こちらの事例は、カラースキームによって仕様策定業者が当社の塗料ブランドを選択する際に役立っていることを示す一例です。当社が塗料の色と製品について推奨と提言を行ったことで、実際のプロジェクトが成功につながりました。
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3つ目のジャンルである包括的なマルチチャネルを確保する方法についてご説明いたします。これはもはや小売店だけにとどまらず、利用者が使いやすいEコマースのプラットフォームとプロの塗装業者向けのサービスを組み合わせたものとなっています。
当社はこうしたマルチチャネルを通じて、利便性と正確性、シームレスなアクセス性を武器に多様な顧客ニーズに対応し、高品質な製品とイノベーションを提供できる信頼度の高い選択肢としての地位を強化しています。小売店からEコマースのプラットフォーム、モバイルアプリ、ソーシャルメディアに至るまで、顧客がどこにいても対応できる体制を整えています。
小売店では、顧客の購入プロセスの最終段階で当社の塗料を購入する準備ができた際、顧客の目に付くように陳列する販売戦略に力を入れています。
全ての製品認知(product awareness)と教育資料(educational material)はすぐに利用できます。今日が塗装を決心する日ではないかも知れませんが、当社のサイドボード(sideboard)はリマインダーとして機能し、顧客が1~2ヵ月後に購入する準備ができた時に当社の塗料販売店を思い出すことができるような仕組みになっています。
自動調色機(CCM)は当社の戦略で極めて重要な位置を占めており、全ての小売店へのCCM設置を進めています。CCMを導入した4万8,000店以上の小売販売網を通じ、外装用、内装用、木材用、金属用などのあらゆる種類の建築用塗料について、正確で精度の高い一貫した色を提供することが可能になりました。顧客が製品を購入する時点で色を調合するため、想像できるあらゆる表面に対して最小限の在庫で正確な色を塗ることができます。
当社はEコマース分野にも参入しており、塗料製品はEコマースやソーシャルメディアのプラットフォームを通じて複数の国・地域で購入することができます。
さらに重要な点は、先ほどもご説明した通り、当社はDIY市場に特化した企業ではないため、プロの塗装業者の力に頼る必要があります。これにより、当社の塗料を適切な方法で納品、配送、塗布することが可能になり、塗料と壁に塗布された塗料の色の双方で意図した通りの結果を顧客に示すことができます。
自宅の塗装の依頼先が分からない住宅所有者が当社の「Professional Painting Services」を簡単に利用できるよう、プロの塗装サービスに投資していることも重要なポイントです。こうしたサービスは現在、当社が展開している一部の主要市場で提供しています。
以上で、3つのジャンルに関してさまざまなアプローチを実践してきた具体的な方法についてご説明を終わります。
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次に、NIPSEAグループのために開発したグローバル資産についてご説明いたします。これらの資産を通じて、全てのステークホルダーがブランドへの強力な愛着とエンゲージメントを高め、地域に密着した現地の建築用塗料ブランドではなく、グローバルな塗料ブランドとしての地位を確立することを目指しています。
当社が構築した3つのプラットフォームである「AYDA Awards」、「Creative Color Awards」、「Coloring Lives」について、それぞれ詳しくご説明いたします。
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AYDA Awardsは、建築家やデザイナーを世界的に育成するという使命と目標を掲げ、17年の歳月をかけて構築したプログラムです。これまでに20ヵ国・地域で1,200以上の教育機関が参加しており、デザインや建築、インテリアデザインを学ぶ学生を対象としています。
AYDA Awardsを開始して以来、現在までに5万9,000件を超える応募がありました。このプログラムは事実上のコンテストではあるものの、受賞者は米ハーバード大学デザイン大学院(GSD)で3週間の「design discovery program」に参加し、さらなる技能向上を図ることができます。
当社はまた、ハーバード大学GSDとの提携を通じ、日本ペイントの中興の祖とされる小畑源之助の名を冠した「小畑源之助フェローシップ基金」を設立して、特にアジア各国の若い有能なデザイナーを継続的に支援しています。こうした取り組みは、ハーバード大学GSDでの教育ニーズを支援する機会を提供しています。
これは、このコンテストに参加した20ヵ国・地域の学生たちとどのように関わり、実践してきたかを示すほんの一例です。当社は学生向けの取り組みに加え、建築やインテリアデザイン分野の団体や高等教育機関などの9ヵ国39に及ぶパートナー、団体とも協力してきました。これらの支援は、当社にとって重要な取り組みとなっています。
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Creative Color Awardsは、ブランドや製品の認知度を高めるブランドのシーディング(brand seeding)だけでなく、潜在的な顧客層を実際の顧客として継続的に取り込んでいく目的で構築したエコシステムであり、フレームワークです。
AYDA Awardsは先ほども説明した通り、未来のデザイナーを育成するための国際的なデザインコンテストであり、まさにブランドのシーディングに当たります。学生たちが卒業し、プロの顧客となる前に、当社のブランドを彼らの頭の中に浸透させることを期待しています。AYDA Awardsでは17年間で20ヵ国、5万9,000件を超える応募があり、当社はリードジェネレーターになりました。
17年間、あるいはそれ以上前からの取り組みを経て、当社は世界的なカラーコンテストであるCreative Color Awardsに専門家を参加させてきました。この取り組みは、今日の専門的なデザイナーの才能を評価することに重点を置いています。ブランドのシーディングから移行し、現在は現場で働く専門家を評価する方向に軸足を移しています。最もクリエイティブな色使いをする専門家に対して賞を授与したいと考えており、複数のカテゴリーで当社の製品や色を取り入れた作品を提出してもらうべく働き掛けています。
これは実際には変換ツール(conversion tool)です。2年目の開催となる2024年は、対象地域が11ヵ国・地域に拡大し、310件の応募がありました。実例を挙げると、2015年と2016年にAYDA Awardを受賞した建築家リアン・タン(Rien Tan)氏は現在顧客となり、8年を経た2024年にCreative Color Awardを受賞しました。
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Creative Color Awardsは変換ツール(tool for conversion)としてだけでなく、世界中から優れた作品の参考事例を集める手段でもあります。これらの作品は、他のユーザーに当社の製品の使用を推奨し、刺激を与えるのに役立っています。
当社は、全ての応募から当社製品を使用した作品事例を集めた「VIBES」というコレクションを作成しました。こちらは、作品の参考事例に含まれる受賞作品の一例です。
また、国際的な審査員団の参加が、Creative Color Awardsの権威と信頼性を高めており、評価の中立性が確保され、ある空間に最も適した色を使用した作品の評価に焦点を絞ることができています。
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次に、NIPSEAグループのCSRフレームワークについてご説明いたします。
CSRフレームワークは、NIPSEAグループにとって重要な戦略です。包括的なビジネスアプローチで、事業を展開するコミュニティに具体的な社会影響をもたらします。
CSRフレームワークは、国連の5つの持続可能な開発目標(SDGs)と3つの重点分野(3E)に沿った内容となっています。まず、教育(Education)に重点を置き、共同学習プラットフォームや芸術・色彩教育プログラムを通じて、子どもや若者たちに学習の機会を提供することを目指します。次に、エンパワメント(Empowerment)を重視し、職業訓練や認定プログラムを通じてコミュニティのメンバーに技能と知識を提供しています。最後に、エンゲージメント(Engagement)では、健康と福祉、保護と保全の側面を取り扱っています。
2023年のコミュニティへの影響としては、86件のプログラムを立ち上げ、1,400万人に恩恵をもたらしました。約40万リットルの塗料を寄付し、約480万米ドルを投じ、3,100人の従業員が17万1,000時間の貢献をしました。
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こちらは教育(Education)分野の一例です。
インドでの事例の1つはエンパワメント(Empowerment)に焦点を当てており、女性塗装業者への訓練を通じてエンパワメントにつなげることを議論しています。さらに、インドネシアでは、各地のコミュニティ、具体的には漁師のコミュニティとの関係を深めています。
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こちらは、インドネシアの州全体を対象としたNippon Paint Indonesiaの取り組み「Gapura Merah Putih」です。
この取り組みは、単に当社のブランドを販売するだけでなく、コミュニティとの関係構築を目指したものです。2016年からの包括的な取り組みにより、1,000人以上の顧客やディーラーがこの取り組みに積極的に参加し、現在では約8万3,000ヵ所のコミュニティアーチ(各地区に設置されたアーチ状の門)が塗装されています。当社は約84万リットルの塗料を提供しました。
ここで短い動画をご覧いただき、Gapuraの取り組みについて、雰囲気をつかみ取っていたただければと思います。
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ブランドは、単なる広告ではありません。ステークホルダーとの永続的で感情的なつながりを構築することであり、キャンペーン投資をはるかに越えた信頼とロイヤルティを育むことです。
真のブランド価値とは、心の奥深くに響く有意義な体験を生み出し、あらゆるタッチポイントで消費者への関係性と影響力を示すことにあります。
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市場への影響力をご説明するべく、シンガポール、中国、トルコ、マレーシアなど、特に重要な市場を取り上げます。当社はこれらの市場で、Top of Mindのブランド認知度でNo.1となっています。Top of Mindは、塗料に関して最初に思い浮かぶブランドであることを意味しており、2位のブランドを含む競合他社に対して優位に立っています。インターネットの検索結果でも同様で、「NIPPON PAINT」の検索が最上位に位置しています。
当社はマレーシア、中国、トルコ、カザフスタン、スリランカ、香港、中国、シンガポールでNo.1の地位を築いており、他の6つの市場でも上位3社に入っています。
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当社はさまざまな国・地域で、信頼される数多くのブランドを築いてきました。
こちらについては詳しくご説明しませんが、最後の説明資料で結論を述べたいと思います。ブランドを越えて、ブランドを築くのは人です(beyond the brand, it is the people who build the brand)。
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ここで、グローバル・マーケティング・コミュニティで集合した写真をお見せします。
25ヵ国・地域からオンラインと対面参加を合わせて326人が集まり、マーケティング・エクセレンス・プログラムで最大の実績を残したマーケティング活動を披露します。これにより、日本ペイントが信念に掲げる「1,000本の花が咲き誇る(our 1,000 flowers bloom)」コンセプトを世界中で効果的に実現しています。
以上、ご清聴をありがとうございました。