- 研究開発
- 2020.10.25
飲料⽤アルミ⽸の洗浄・防錆処理
フッ素や重⾦属を⽤いない飲料⽤アルミ⽸向けの脱脂剤、および有害な6価クロムを含まない化成処理剤です。河川の⽔質汚染や廃⽔処理の負荷低減に⼤きく貢献します。
#資源と汚染
#生活水準の向上
#製品化済
#塗装下地皮膜
#表面処理


飲料⽤アルミ⽸の洗浄・防錆処理とは
飲料⽤アルミ⽸処理は、プレス成型時の潤滑油等のオイルを洗浄する脱脂工程と、⻑期保管を可能にする化成処理工程からなります。当社の高度な技術力は、長期にわたる多くのお客様での実績と信頼を得ています。当社は世界で初めて1980年代に、環境に配慮したフッ素フリー脱脂剤を実用化しました。また、化成処理剤においても、特殊添加剤を配合した作業性に優れた環境配慮型クロムフリーノンクロム処理剤を保有しています。

どのような技術か?
フッ素はアルミニウム表面の酸化物を溶解除去する性質を持っています。当社の開発したフッ素フリー脱脂剤は、成型工程で付着したオイルを界面活性剤で乳化・洗浄し、フッ素の代わりに配合した金属イオンの酸化還元反応でアルミ表面の酸化物を除去(エッチング)します。
化成処理では、アルミニウム金属界面でおこる化学反応により、アモルファス性の含水無機皮膜が形成します。その皮膜はナノスケールの膜厚ですが、アルミニウム缶を腐食から守ります。

社会課題解決への貢献
アルミ飲料缶の表面処理では、大量の水が使用されます。河川の水質汚染や排水処理負荷が大きいフッ素化合物やクロム等の重金属の使用は、ESGの観点で好ましくありません。当社のフッ素フリー脱脂剤とクロムフリー化成処理剤の確立は、昨今の環境規制強化の流れに対応しています。海外ではフッ素含有脱脂剤がいまだ多く用いられています。アルミ飲料缶の需要は、発展途上国を含む海外でも伸びており、当社の環境配慮型技術が期待されています。